作品の良し悪しは技術力だけで決まらない-軽巡洋艦 夕張
こんにちは、So レゴ…と一年の間に改名してLesoaになりました
一々自分のハンドルネームが英字とカタカナ混じりだと面倒なんですよねえ…。という事で他の方からはSoさんと呼ばれているので、レゴの面影を残しつつ語感でLesoaにしました。
という事で
今回紹介するのは軽巡洋艦 夕張です。
https://twitter.com/lesoa_design/status/1123066988337582081?s=21
この作品は大のお気に入りです。自分の個性がこの船に詰まっている感じ。
艦船レゴオフ5事前会議や艦船レゴオフ5にも展示させていただいたベテラン艦です。
まずは全体像から
↑組み方も見たい方はYouTubeからどうぞ。
そもそも夕張とはどんな船かと説明すると、あの平賀譲によって設計された実験の意味合いが強い軽巡洋艦です。
何をトチ狂ったか戦艦を16隻作ろうとした八八艦隊計画などで予算がギチギチだったので、5500トン型軽巡と同じくらいの兵装を3000トンで実現させようとしたものが夕張として建造されました。
当時としては画期的で、海外からも大きい注目を浴びましたが、小型重武装である以上航続力の不足は少なからずあったようです。
と、今までの軽巡洋艦とは兵装配置や艦影も大きく変化しています。
平賀譲の性癖(?)である単装連装の混載もそうですが、魚雷発射管も5500トン型とは違い中心線に配置しているため同等の4斜線を確保しています。
古鷹型などの日本重巡の設計思想を作ったきっかけでもあるため、結構重要な船…という事ですね。
ちなみにレゴのは防空強化のため4番砲塔が撤去されて代わりに対空機銃が搭載された戦時中の姿で再現しています。
ここからはレゴ解説に戻ります。
作ったのは2019年の4月と一年半前の作品となります。この時期はまだタイル艦は多くなかったかなあと思いますが、ちらほら見かけるようになり始めたので試しに小型艦でやってみよう、という事になりました。
今みるとそこまで難しい組み方を使っている訳でもなく、至って普通な横組みですが、新しい試みはそこそこやっています。
例えば内火艇の固定用に白い帯みたいな物を巻くのですが、これをレゴ社純正輪ゴム(白)を使ってみました。
このサイズの船になるとどうしてもグレーが多くなってしまい、レゴだと特に塗装前のプラモデルみたいに単色になりがちなので、なにか良い案は無いか試行錯誤してたんですよね〜。
これのおかげでグレーと白のコントラストがとても映える(?)仕上がりになっていると思います。
第二砲塔あたり。波除け、第二砲塔、機銃、その奥に艦橋と狭い範囲に構造物が敷き詰められているので、縦・横・縦・横組みと交互に組み立てられているのが特徴的です。
今見るとあまりスマートではありませんが、未だに波除けの最適解は思い浮かばないのでしゃーなしですかね。
あまり話すネタが無くなってきた。そうそう、夕張の特徴的な誘導煙突も再現しています。やたらと面倒くさい構造で、艦橋に埋め込むような形で固定されています。
魚雷の次発装填装置は2×1レールプレートで再現してます。
こんな所かな、あと艦船レゴオフ5事前会議の写真とかも載せておきます。
FBIさんの戦艦ボロジノと。レウルーラ…じゃなくて潜水作業支援船Van Goghもいます。
小型艦同士だと可愛いですね。
今となってはタイル艦は当たり前になってますし、組み方とかは旧式化してる印象はありますが、クオリティに関してはまだ引けは取ってない(はず)(主観)(多分バイアスかかってる)
一つ前の伊吹がハイエンドだとしたら、夕張は完成度の高いミドルレンジといった所でしょう。複雑な組み方だけが作品の全てを決める訳ではない、それを証明してくれている船だと思います。
レゴ艦船のハイエンド・フラグシップモデル-高速戦艦 伊吹
お久しぶりです。(一年振り)
途中からスランプだったのもそうですが、そもそも新作のネタが無かったので長らく放置してました。
んでちまちま作っていた復帰作が出来たので作品紹介でもしようかなぁ、とぼちぼち更新していくことにします。
今回紹介するのは高速戦艦伊吹(第五世代)!!
https://twitter.com/Lesoa_design/status/1298525146324426752
自分がいつも作ってるやつです。
伊吹は1/300艦船の技術革新のスピードに追いつくための技術試験艦として、改修を繰り返しては崩してブラッシュアップさせています。
2020年8月26日に発表したのでつい最近の最新鋭です。ちなみに世代分けはややこしいので船体の一からの作り直しを基準にしてます
↑前作(第四世代、2020年3月15日発表)との違いを比較
https://twitter.com/Lesoa_design/status/1239063908796624896
- 第四世代は通常の横組み式艦首ですが、第五世代はLesoa式+ヒンジプレート艦首を採用しています。
- 第四世代は9号さんの天城を参考にした9号式バルジですが、第五世代は横組み+マツダ式融合船体に変更されています。
- 第四世代は36cm三連装主砲4基に対し、第五世代は9号式41cm連装2基、三連装2基の混載になっています。
- 第五世代はPFシステムを使用した遠隔操作による全砲塔旋回が可能ですが、第四世代は対応していません。
- 後部マストを第五世代用に新規設計しました。
艦橋、煙突、高角砲以外はほぼ全て新規設計です。なぜここまでする必要があったか説明するためにはまず2020年のレゴ艦船界隈について話さないといけません。
自分が第四世代を完成させてスランプ期に入っていた頃、多くのレゴビルダーがとあるイベントに向けて新作艦船を建造していました。
艦船レゴオフ5.5と、LSC藤田杯です。
チケさんのベルファスト、Lyonさんの護衛艦こんごう・アクィラ、どうみんさんの米打撃群、Pen2ndさんのジェラルドRフォード、Keeliさんの隼鷹…と思いついただけでもこれだけありますが、どれも作品のクオリティ、ビルド、個性共にハンパない。
ここまでとは思いませんでしたが、公開される前に自分は大作の嵐が来ると予想していたので完成度に不安があった第四世代をとっとと解体して第五世代の建造に着手しました。
まず目標は第四世代で挫折した3幅での砲塔旋回ギミックの搭載と、新規開発した横組み+マツダ式融合船体の採用としました。
真横からだと滑らかなものの視点を上げて見ると甲板に隙間が出来てしまうマツダ式と、バルジ部分を組むとどうしてもカクカクしてしまう横組みの欠点をお互いの利点で解消した、新しい船体です。
↑(上から)一段目は普通の横組み、二段目はタイル+ヒンジプレート、三段目はブラケットを縦にして0.5プレート分の出っ張りをバルジに見立てています。
結果的にこの組み方のおかげで、砲塔旋回用のスペースが大きく取れるようになったので万々歳かなぁと
ともあれ、これでガワは上手いこといきました。次は中身です…
正直動力化は二度とやりたくありません。せっかく綺麗にできたガワをわざわざ動力化のために作り直したりするのがしんどいからです。
作っているときはただただめんどくさかったです。3幅で砲塔旋回なんて前例がなかったので…
例として4幅で砲塔旋回を目指したとにーさんのウォースパイトも、最終的には5幅で完成されてます(その分砲塔旋回の滑らかさ、リアリティは比べ物にならないくらいに素晴らしい出来です。)
イカれてる所は沢山あります。バッテリーボックス横組みなんかは簡単な方で、輪ゴムによる動力伝達、8歯タイプの歯車の採用は本当に苦渋の決断です。
これのせいでカクカク回ったり、回らなかったりと正直砲塔旋回できた!とは言いづらいです。
でも使える高さは2ポッチ分です。甲板は横組みで1ポッチ使えなくなるので、2ポッチ分です。どうしようも無い………ただ、マツダ式のおかげで高さは無くとも横幅は取れましたが。
少しのパーツの歪みで回らなくなるほどで、戦時標準船よりも旋回の信頼性は無いですが、まあ………
と、ともあれ技術的にはかなり追いついた所かかなり先を行っていると思います。多分いつか、というかもうすぐ追い越されそうな気はしますが。(1/300で自走も出てきてますし)
もう一度ガワの説明に戻りますが、艦橋も第四世代よりも少しスマートになるように改良されています。
参考にしたのは比叡、榛名、長門、大和あたりで、自分の好きな所を混ぜたキメラみたいな艦橋です。
高角砲は他の方のに比べてスケール的に大きめですが、ディテールと存在感はこちらの方が優れています。旋回、砲身仰俯角可動もできたり。
細部のディテールも妥協無く。艦尾に行くにつれ段々手を抜く癖があるのですが今回はしっかり頑張りました。
かなり拘ったのはこれです!このシャープさはまさに巡洋戦艦!!!これが見たかった!
前作は艦尾がどっぷりとしていたので、この形に出来て良かったかなあ、と。
こんな感じですかね。
総評としては、最新技術を載せたフラグシップモデルに相応しい作品になったと思います。あと見た目はほんと世界一カッコいい。
言い忘れましたがこの船のコンセプトは平賀譲が作った陸奥変体〜加賀型ってイメージです。連装三連装の混載もそれで多少意識してます。
正直現時点だとこれで満足していますが、いつかまたふらっと作り直すかもしれません。
So レゴの駆逐艦 陽炎【作品紹介】
▼駆逐艦 陽炎 改装後(2018年8月ごろ〜)
▼改装前
▼改装前の改装前(2018年1月ごろ)
▼第3回横須賀レゴオフ(2018年7月)
▼駆逐艦陽炎(2019年1月)
登場時期 2018年8月ごろ
一年前くらいに作った船なので作ってた時はあんまり覚えてないですが、当時としてはかなりの技術革新を試みてました。
2016年12月29日、So レゴ初の駆逐艦を建造(まだ伊吹すらも完成していない)
2017年4月21日、なんとなく駆逐艦っぽいものが完成します。
2017年5月21日 日本駆逐っぽい艦橋。サイズは重巡にも劣らず(レゴンさんのブログにも載ってたと思います
2017年11月21日 やっとそれなりのクオリティの駆逐艦が完成。
と、一作ごとにクオリティが上がっていきついに納得できる駆逐艦が完成した…という感じですね。
この船、実は最初陽炎型を作ろうと決めたわけではなく一応架空の駆逐艦ということで建造したんですが、第四回艦船オフの第二次ソロモン海戦の企画の際に龍驤を持って行くことになって、でもどうせなら陽炎型を作っていこうと思って改修した(はず)
▼これがやりたかった
一応組み方とか、船体構造とかもちょくちょく…
横組み船体、大型艦だとコストはかかりますが小型艦だとブロック組みより安価に量産できる感じ。
▼隙間がない艦尾の作り方とか、12.7cm主砲の組み方とか。
▼艦橋の構造。
見返したら画像ばっかで解説全然してないじゃん、と思ったけどまあいいや。
今日はこの辺で終わりたいと思います。
2020.10.22 加筆修正
エリアスさんの護衛艦 こんごう【作品紹介】
公開日 2017年11月18日
なんといっても特徴的なイージス艦の艦橋を見事に表現されています。エリアスさんは以前にもこんごうを建造しており、試行錯誤の末に編み出した組み方だと思います
▼手前が最新作。艦橋の隙間を無くす際に苦労されたようです。
横組みの船体も現代艦のなめらかな船体を再現されてたり、その上にある艦橋とも違和感なく完成されていて美しいなと思ったポイントですね。
ヘリ着艦標識のディテールも非常にこだわっており、全体的にもクオリティの高い作品だと思います。
私も2018年に現代艦を作った時があったのですが、特に悩まされたのが艦橋で最終的にエリアスさんのこんごうを参考にしてなんとか完成した記憶があります笑
▼So レゴ作の護衛艦あきづき。よく見てみるとハープーンあたりもエリアスさんの影響を受けてます。
現代艦の中でもイージス艦はとても人気があるので他の方も作られているのですが、その中でもエリアスさんの組み方は多くの方の作品に使われています。
▼手前がエリアスさんの護衛艦こんごう、奥が隼さんの護衛艦みらい。こういう感じのほんと好きです(語彙力不足)
▼第4回レゴ艦船オフでの夢の共演!
最後に
現代艦船の発展に大きく貢献し、エリアスさんの色が出ている重要な艦だと思います!エリアスさんは現在新造艦を作っているとの事なので新作が楽しみですね。